中央区内の道路は幅が広く延焼防止に有効!

前回の「中央区の道路率は23区で1番高い!」では、中央区は23区で一番道路率が高いことをお伝えしました。このことは特に防災面で有用ですが、もう一つのポイントとして道路の幅(道路幅員)が挙げられます。

過去の地震による火災の検証(国土交通省HP道路防災情報の地震災害対策)で、道路幅員が狭いと道路の向こう側へどんどん火が燃え広がっていきましたが、広くなると延焼を防止できたことがわかりました。道路幅員が4m以下では全く延焼防止できませんでしたが、幅員が12m以上あればかなり延焼防止に役立ったようです。

そこで23区の道路はどのくらいの幅があるのか調べてみました。

23区の道路幅員
23区の道路幅員

各区の道路の平均幅員は、東京都の「東京都道路現況調書平成25年度」に記載の道路面積を道路延長で割って計算しました。道路の種類は、区道以外に国道や都道、自動車専用道路等があります。

中央区の道路の平均幅員は15.3mで千代田区に続いて23区で2番目に広いです。先程、幅員が12m以上あれば延焼防止に役立つと書きましたが、千代田区や中央区は、平均では15mもあるので、大規模な火災が起きた時でも延焼を防げる道路を既に備えていると言えます。

平均幅員が中央区の半分にも満たない区が多いことを考えれば、中央区の道路整備は進んでおり、区内在住者や在勤者にとっては、とても心強いのではないでしょうか。

しかし、区道に限れば平均幅員は10.9m(23区トップ)まで下がります。区内には道路幅員が4mに満たない場所も複数あります。路地裏的な良さを残しつつ、災害に強い安心できる街づくりを更に進めていきたいですね。

中央区の道路率は23区で1番高い!

今回は中央区の良いところを紹介します。 みなさん、「道路率」という言葉を聞いたことがありますか?道路率とは、区の面積中に占める道路面積の割合のことを言います。道路率が高ければ道路が広く整然とした街、道路率が低ければ密集した街というようなイメージになります。 この道路率が中央区は23区で1番高いのです。

23区の道路率
23区の道路率

中央区の道路率は29.4%で、区の面積の3割が道路と言うことになります。23区平均より13.1%も高い断トツの1位で、次に台東区の26.1%、千代田区の23.8%と続いています。 整然とした街は好きではなく、ゴチャゴチャした街が好きと言う人もいるでしょうが、道路率が高い(つまり私有地割合が低い)と区政においては都合の良いことが多いです。 最も重要なのは防災面です。道路が広ければ緊急用の道路を確保しやすく、帰宅難民の移動もしやすくなる等、災害活動がしやすくなります。逆に密集地だと、倒れた電柱が道路をふさいでしまって緊急車両が通行できないとか、帰宅難民が車道にまで溢れて危険と言うようなことも考えられます。 また、街の整備するにしても、道路率が低い場所では自治体が個人の土地を買い上げないと道路整備等をできないことが多く、その場合、多額の税金を投入する必要もでてきます。中央区は、街の整備においてはかなり成熟しており、そのようなコストはあまり必要ないと考えられます。 その分は電線・電柱の地中化や自転車関係の整備費用に活用してもらいたいですね!

個性的な中央区の人口ピラミッド

前回の中央区は生産年齢人口の割合が高いに続いて、今回は中央区の人口ピラミッドについての話をします。

東京都中央区の人口ピラミッドは今まで見たこともないような個性的な形をしています。

中央区の人口ピラミッド
中央区の人口ピラミッド

資料:中央区ホームページの年齢別人口(平成27年1月1日現在)より筆者が作成
※男女の人口を合算しているので、図はピラミッド片側だけとなっています。年齢の目盛にある105歳は105歳以上のことです。

105歳以上(1人)から最も多い41歳(3,215人)までは末広がりになっていますが、そこから下(若い方)はかなりえぐれているのがわかります。特に10代の人口がかなり少なく、18歳は僅か608人しかいません。80歳以下では最も少なく41歳の1/5以下です。

ピラミッドはそこから下にまた末広がりになり、0歳は1707人で18歳の3倍弱、41歳の半分強まで増えています。

人口ピラミッドを見る限りでは、中央区は出産・子育てをしている働き盛りの30~40代が多く住んでいると言えそうです。しかし、それにしても人口構成にかなりの偏りがありますね。中央区が持続的に発展していく為にも、もう少しバランス良い人口構成へ、早急に改善していく必要があるのではないでしょうか。

中央区は生産年齢人口の割合が高い

区内には何故か学校が少ない!④等で、学校が少なく通学で区外へ行ってしまうので、中学生や高校生の昼間人口が夜間人口に比べて少ないことを指摘しましたが、実はその夜間人口もかなり少ない現実があります。今回は中央区の人口構成を、次回はかなり特徴的な人口ピラミッドを紹介します。

下記は中央の人口構成比(14歳までの年少人口・15~64歳の生産年齢人口・65歳以上の老年人口)を全国平均と比べたものです。参考までに東京近郊の3市とも比べてみました。

人口構成
人口構成

資料:中央区・浦安市・武蔵野市は各区市ホームページよりH26年6月 鎌倉市は市HPよりH25年1月 全国は総務省統計局ホームページより平成25年10月現在の数値を基に計算

中央区は生産年齢人口の割合が72.14%で、全国平均より10%も高くなっています。その分、老年人口が16.21%で全国平均より9%低く、年少人口も11.66で1%低くなっています。

参考に載せた3市は住みたい街として取り上げられることも多い人気のある市ですが、この3市と比べてみても、中央区は生産年齢人口の割合がかなり高いことがよく分かります。

働いている世代が多いと言うことは、区政にとっては税収が多く見込めるので、歓迎することかもしれませんが、区民にとってはどうなのでしょうか?もしかしたら、高齢者や子どもにとっては住みやすくない街なのかもしれません。

今後中央区がどこを目指すのか、大いに議論していく必要がありそうです。

区内には何故か学校が少ない!④高等学校

前回の「区内には何故か学校が少ない!②中学校の続編」では、中央区の多くの中学生が区外へ通学し、中学生の昼間人口がかなり少ないことを書きました。同じことが高校にも言えます。

下記の表は、東京23区の高校数と通学している生徒数(平成26年5月1日時点の1年生から3年生までの合計)、そして各区の15歳から17歳までの人口(平成26年1月1日現在)と、生徒数を人口で割った率をまとめたものです。前回の中学生の表と書式は全く一緒です。

高校の学校数と生徒数
高校の学校数と生徒数

中央区内にある高校は、晴海にある都立晴海総合高校と、日本橋馬喰町にある私立日本橋女学館高校の2校だけです。

高校生も中学生と同じく夜間人口に比べて昼間人口がかなり少ないです。高校生が区内に1,887人住んでいるのに、通学で多くの高校生が区外へ行ってしまい、昼間は1,051人しかいません。夜に対する昼の人口割合は55.7%で、23区の中では少ない方から5番目になります。

中央区に20年住んでいますが、確かに、平日昼間に制服を着た高校生を街中で見た記憶がないです。中央区内の高校はいつからどうしてこんなに少ないのでしょうか?

中央区内には、やはりもっと高校があるべきです。都立でも私立でも構わないので、重要政策として2~3校くらいは早急に誘致してもらいたいものです。

みなさんは、どのように思われますか?

区内には何故か学校が少ない!③中学校の続編

前回取り上げた「区内には何故か学校が少ない!②中学校」で書きながら気になった区立中学への進学状況について、もう少し掘り下げてみました。

下記の表は、東京23区の中学校数と通学している生徒数(平成26年5月1日時点の1年生から3年生までの合計)、そして各区の12歳から14歳までの人口(平成26年1月1日現在)と、生徒数を人口で割った率をまとめたものです。

東京23区の中学校の学校数と生徒数
東京23区の中学校の学校数と生徒数

人口調査の言葉を使って言えば、通学生徒数は「中学生の昼間人口」、12~14歳の人口は「中学生の夜間人口」のようなイメージになります。

まず中学校数ですが、中央区は23区で最も少ない5校(区立中学4校と私立中学1校)となっています。人口規模や区の面積に大きな違いがあり単純比較はできませんが、最も多いのは世田谷区の52校、中央区の次に少ないのは台東区の9校です。中央区の中学校は統廃合が済んでコンパクトに効率良く運営できていると言うことでしょうが、数でみればダントツに少ない現実があります。

そして、気になるのが、中学生の夜間人口に比べて昼間人口が少ないと言う現実です。調査日に若干のズレはありますが、中学生が区内に2,057人住んでいるのに、通学で多くの中学生が区外に行ってしまって昼間は1,446人しかいません。夜に対する昼の割合は70.3%で23区の中で最も少ないです。

参考までに平成22年国勢調査での昼間人口は605,926人で、この時の夜間人口は122,762です。比率にすると493.6%になります。

区民が安心して中央区に長く住み続けていくためには、学校環境の改善もしていく必要があります。隣の千代田区(515.4%)のようになるのは難しいかもしれませんが、せめて23区平均(105.9%)位にはなって欲しいものです。

区内には何故か学校が少ない!②中学校

中央区内の学校事情について今回は中学校を取り上げます。

現在、中央区内には区立中学校が4校(銀座・佃・晴海・日本橋)あります。それぞれ通学区域が決まっていて、大雑把に言えば、京橋区域は銀座中学、日本橋地域は日本橋中学、月島地域のうち佃と月島が佃中学、月島地域の月島の一部と勝どき、晴海、豊海町が晴海中学となっています。ただ、中央区では自由選択制を導入しているので、指定校以外の中学校を選択することも可能となっています。

では、区立中学校以外の中学校はどのくらいあるのでしょうか?

実はたったの1校しかありません。日本橋馬喰町にある日本橋女学館中学だけのはずです。幼稚園と小学校は全て区立なので、あるだけまだ良いのかも知れませんが、区立中学校への進学率が50%弱ぐらい(平成21年第2回中央区教育振興基本計画検討委員会議事録より)であることを考えたら、多くの子どもが区外の中学校へ進学していることになります。

ちなみに、日本全体では中学生は約355万人(文部科学統計要覧平成25年版より)いますが、そのうち92%の生徒が公立中学に通っており、私立は僅か7%しかいません。

中央区の人口の推移に興味深い特徴があります。2015年(平成27年)1月1日現在の人口を6年前の2009年(平成21年)と、12年前の2003年(平成15年)とそれぞれ比べてみました。

年齢別人口推移

中央区の人口は12年前の86,358人から54%も増えて132,935人になっています。しかし、増え方は年齢によってかなり差があります。0歳は2003年から実に158%も増え、6歳も59%増ですが、12歳は8%しか増えていなく、18歳は僅か2%しか増えていません。また、2003年に0歳であれば2009年に6歳、2015年には12歳になっているはずですが、661人→760人→763人で人口増に遠く及ばない15%しか増えていません。2003年の6歳では、680人→632人→608人と実は11%も減っているのです。

中央区の区立中学校の現状をわかりやすく言えば、子も親も(またはどちらか)区立中学校へ行きたくない(区外の中学校を選ぶ)理由があるのです。中学校は義務教育なのに、多くの中学生(区民)が区外の中学校へ通っていることは、区としてあるべき姿なのでしょうか?

もし対応策を考えるなら、方法は主に2つかと思います。1つ目は、もっと私立中学を区内へ誘致し、区内での受け皿を増やすとともに、進学の選択肢を与えるべきではないでしょうか?もう1つは、区立中学校がもっと魅力的な学校になることです。私立中学が増えるだけでも競争心が生まれて魅力は増すはずです。みなさんはどの様に考えますか?

区内には何故か学校が少ない!①小学校

中央区は東京のど真ん中にあり、交通の便の良さや街の魅力など区民として誇れるところは沢山あるのですが、足りないものも実はあります。その代表格が教育(学校)だと個人的には思っています。教育は全ての基礎になる部分であり、区の政策としても力を相当入れていくべきですが、公立幼稚園はとても素晴らしいものの、その先の小学校~大学には多くの改善点があると考えています。まずは小学校から取り上げます。

中央区内は立派な区立小学校が16校あります。数が足りない訳ではありません。中央・明石・明正小学校は最近建て替えが終わり、子ども達は羨ましいくらい素敵な環境で日々学んでいます。泰明・常盤・阪本小学校等では、逆に伝統を重んじた歴史ある校舎で子ども達は学んでいます。

広報誌(平成26年3月11日号)によれば、各区立小学校では人口増にあわせて今後も建替えや増築が多数計画されています。また、国際教育や理数教育の推進に向けて、パイロット校となる常盤小学校と城東小学校で先進的な教育を展開していくようです。

先を見越した取組みや先進的な教育展開は評価すべきことでしょうが、その一方で、ソフトな面では評価できない部分もあるように感じます。我が子が小学校に通学していると、いろいろな事を目にしたり体験したりします。具体的な話はネット上では控えますが、区内の児童数増加に現場で対応しきれていない部分があるように感じます。

対応策としては、ひと言でいえば親も先生達(教育委員会等の関係者も含む)も、もっと努力して向上していく必要があると言うことになります。ただ、これは全国共通の課題です。では、中央区独自のことで考えるとどうか?

個人的には、公立以外の小学校を誘致してみてはどうかと考えます。現在区内には区立小学校しかありません。私立や国立の小学校があれば、小学校へ進学する際の選択肢ができることになります。近隣の区には私立や国立がありますが、小学生の場合、安心できる通学を考えたら、やはり自宅に近い場所がのぞましいです。でも、区内に私立や国立の小学校がないことから、現状では区立小学校以外に選択肢がありません。 勿論、区立小学校が素晴らしければ私立や国立を選択する必要も誘致する必要もありませんが、学校も競争させることで、より質が向上していくのではないでしょうか。

中央区に住むことになった理由

東京都武蔵村山市で26歳まで過ごし、その後、多摩市と浦安市を経て27歳の時に中央区へ引越してきました。

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その時に住んだマンションがこの写真の左の方に写っている白いマンションです。

中央区へ来る前に住んでいたのは浦安にある賃貸アパートでしたが、転勤時に急いで決めたこともあって、あまり気に入ってはいませんでした。1階・狭い・隣の部屋の音が良く聞こえる・やや古い・駐車場が離れている等の理由からです。

このアパートに住んで僅か半年程度で中央区へ引越すことになったのですが、決定的な要因は、毎日のようにゴキブリが出没したからです。仕事で疲れて家に帰ってきて、やっと寛げると思った時に「こんばんは」という感じです。部屋の床はトイレに敷いてあるような床材だったので、見つけるたびにキッチン用の液体洗剤をかけて退治していましたが、ある日、とうとうベッドの上に出没し、我慢の限界となりました。

次はちゃんとした所に住みたい。
勤務地は千葉県内でしたが、通える範囲で何とか都内に住みたい。
どうせ住むなら長く住める所にしたい。

当時はインターネットが自由に使える時代ではなかったので、紙媒体(リクルートの住宅情報やチラシ等)から情報を集め、30物件くらいは見に行きました。その中で、ビビビッときたのが、上の写真に写っているマンションでした。

仕入れた情報の物件は既に買い手がついてしまっていたのですが、しばらくして同じマンション内の違う物件が売りに出たので、即決しました。

初めて自分で買ったマンションだったので、生活のルールがよくわかっておらず、引越の最中に早速理事長に怒られてしまいましたが、ここから私の中央区暮らしが始まりました。

今思えば、ゴキちゃんが「浦安に住んでないで早く中央区へ行け!」と言っていたのかも知れませんね。

 

松浦の自己紹介

1968年(昭和43年)1月11日生まれの47歳、東京都武蔵村山市で26歳まで過ごし、中央区には27歳の時に引っ越してきました。武蔵村山市と中央区では、同じ東京都とは思えないくらい何もかもが違いますね!

中央区民生活は早や20年目になり(年々1年があっという間に過ぎていく感じです)、この間、独身で8年、結婚して夫婦のみで4年、子どもができて8年弱と、いろんな立場で充実した区民生活を送ってきました。区内での引越は新川2丁目から1丁目へ1度だけしました。

仕事は青山学院大学を卒業後、1990年(平成2年)新卒でミサワホーム株式会社へ入社し、住宅やアパートの営業を経験してきました。その後、1998年(平成10年)アイエヌジー生命保険株式会社へ転職し、今度は生命保険や投資信託の営業を経験しました。2002年に会社都合でTEC CONSULTINGへ移り、同年のCFP®取得後、ファイナンシャルプランナー(FP)としての活動も開始し、今日に至っております。TEC CONSULTINGは当初生保代理店としてスタートし、現在は多様な事業をしている会社です。

普通の人がするであろう買い物の中で1番目と2番目に高いと言われている家と保険の実務を最初に経験し、次にFPでお金の事を中心とした人生設計のアドバイスやプランニングをしてきました。ただ、日ごろの生活が快適でなければ、家や保険がどんなに高価なものであっても満足できるものではありません。そこで、中央区で生活する人にとって満足度の高い生活が実現できるよう、ファイナンシャルプランナーとして地域住民の一人として情報発信することにしました。

5940a上の写真は最近の松浦で、下の写真は10年前の松浦です。大きく変わっていますか?それとも、あまり変わっていませんか?

松浦建二