前回までマイカーに関する情報を3回続けて書いてきました。
中央区内のマイカー族はどのくらい?
自動車保有率は大幅に減っている!
マンションによってバラツキのある駐車場台数
今回は自動車保有率が影響を及ぼすマンションの維持管理についてです。
分譲マンションに区分所有者として住んでいる人は、管理組合を通してマンションの維持管理に努めていかなければなりません。購入時には販売業者や仲介業者から長期修繕等の話があったはずです。長期修繕計画のシミュレーションをみてみると、十数年ごとに大規模修繕が行われ、その費用を確保するために月々の修繕積立金が5年毎にアップするような内容になっているかと思います。
区分所有者が毎月払っている管理費・修繕積立金のうち、管理費は日々のマンション管理に必要なお金で、管理委託費用等に使われます。修繕積立金はマンションの修繕のために積み立てられます。健全な管理のためには、管理費も修繕積立金も計画通りの収入があって、支出も計画の範囲内であり、更には積立金が計画通りに積み上がっていくことがのぞましいです。
そこで大きなポイントになるのが「滞納がないこと」と「駐車場の稼働率が高いこと」の2点です。
滞納があれば管理や修繕の費用が足りなくなる可能性があり、マンションの資産価値にも影響するため、管理組合の理事や管理会社の担当者は頭が痛いところです。
駐車場の稼働率が低く、シミュレーション通りに使用料が入ってこないと、修繕積立金が不足してしまいます。中央区内の駐車場使用料は比較的高く、月額3万円なら1台空けば1年で積立金が36万円も計画を下回ってしまいます。10台なら360万円にもなります。
稼働率が下がらなければ問題ないのですが、自動車保有率は大幅に減っている!で書いたようにマイカーを持たない人がどんどん増えており、駐車場に空きのあるマンションも増えてきているようです。保有率を基にした平均値で言えば、10年前に63台の駐車場が満杯だったマンション(平成16年の保有率並み)が、現在では42台しか埋まらないような状況です。
修繕積立金が積み立て不足になれば、区分所有者の月々の積立額を増額するか、必要な修繕を諦めるかしかありません。
マイカーを持たない人が増えると、環境や健康面で良いことも多いですが、マンションの管理においては良いことばかりでないことを、区分所有者は理解しておかなければなりません。
区は現状でも耐震診断費用の助成等いろいろなサポートをしています。しかし、区内のマンションが適正に管理・修繕していくためには、もっともっと積極的に関与していくべきだと思います。それが災害に強い街にもつながります。