中央区内の学校事情について今回は中学校を取り上げます。
現在、中央区内には区立中学校が4校(銀座・佃・晴海・日本橋)あります。それぞれ通学区域が決まっていて、大雑把に言えば、京橋区域は銀座中学、日本橋地域は日本橋中学、月島地域のうち佃と月島が佃中学、月島地域の月島の一部と勝どき、晴海、豊海町が晴海中学となっています。ただ、中央区では自由選択制を導入しているので、指定校以外の中学校を選択することも可能となっています。
では、区立中学校以外の中学校はどのくらいあるのでしょうか?
実はたったの1校しかありません。日本橋馬喰町にある日本橋女学館中学だけのはずです。幼稚園と小学校は全て区立なので、あるだけまだ良いのかも知れませんが、区立中学校への進学率が50%弱ぐらい(平成21年第2回中央区教育振興基本計画検討委員会議事録より)であることを考えたら、多くの子どもが区外の中学校へ進学していることになります。
ちなみに、日本全体では中学生は約355万人(文部科学統計要覧平成25年版より)いますが、そのうち92%の生徒が公立中学に通っており、私立は僅か7%しかいません。
中央区の人口の推移に興味深い特徴があります。2015年(平成27年)1月1日現在の人口を6年前の2009年(平成21年)と、12年前の2003年(平成15年)とそれぞれ比べてみました。
中央区の人口は12年前の86,358人から54%も増えて132,935人になっています。しかし、増え方は年齢によってかなり差があります。0歳は2003年から実に158%も増え、6歳も59%増ですが、12歳は8%しか増えていなく、18歳は僅か2%しか増えていません。また、2003年に0歳であれば2009年に6歳、2015年には12歳になっているはずですが、661人→760人→763人で人口増に遠く及ばない15%しか増えていません。2003年の6歳では、680人→632人→608人と実は11%も減っているのです。
中央区の区立中学校の現状をわかりやすく言えば、子も親も(またはどちらか)区立中学校へ行きたくない(区外の中学校を選ぶ)理由があるのです。中学校は義務教育なのに、多くの中学生(区民)が区外の中学校へ通っていることは、区としてあるべき姿なのでしょうか?
もし対応策を考えるなら、方法は主に2つかと思います。1つ目は、もっと私立中学を区内へ誘致し、区内での受け皿を増やすとともに、進学の選択肢を与えるべきではないでしょうか?もう1つは、区立中学校がもっと魅力的な学校になることです。私立中学が増えるだけでも競争心が生まれて魅力は増すはずです。みなさんはどの様に考えますか?