中央区は生産年齢人口の割合が高い

区内には何故か学校が少ない!④等で、学校が少なく通学で区外へ行ってしまうので、中学生や高校生の昼間人口が夜間人口に比べて少ないことを指摘しましたが、実はその夜間人口もかなり少ない現実があります。今回は中央区の人口構成を、次回はかなり特徴的な人口ピラミッドを紹介します。

下記は中央の人口構成比(14歳までの年少人口・15~64歳の生産年齢人口・65歳以上の老年人口)を全国平均と比べたものです。参考までに東京近郊の3市とも比べてみました。

人口構成
人口構成

資料:中央区・浦安市・武蔵野市は各区市ホームページよりH26年6月 鎌倉市は市HPよりH25年1月 全国は総務省統計局ホームページより平成25年10月現在の数値を基に計算

中央区は生産年齢人口の割合が72.14%で、全国平均より10%も高くなっています。その分、老年人口が16.21%で全国平均より9%低く、年少人口も11.66で1%低くなっています。

参考に載せた3市は住みたい街として取り上げられることも多い人気のある市ですが、この3市と比べてみても、中央区は生産年齢人口の割合がかなり高いことがよく分かります。

働いている世代が多いと言うことは、区政にとっては税収が多く見込めるので、歓迎することかもしれませんが、区民にとってはどうなのでしょうか?もしかしたら、高齢者や子どもにとっては住みやすくない街なのかもしれません。

今後中央区がどこを目指すのか、大いに議論していく必要がありそうです。

区内には何故か学校が少ない!③中学校の続編

前回取り上げた「区内には何故か学校が少ない!②中学校」で書きながら気になった区立中学への進学状況について、もう少し掘り下げてみました。

下記の表は、東京23区の中学校数と通学している生徒数(平成26年5月1日時点の1年生から3年生までの合計)、そして各区の12歳から14歳までの人口(平成26年1月1日現在)と、生徒数を人口で割った率をまとめたものです。

東京23区の中学校の学校数と生徒数
東京23区の中学校の学校数と生徒数

人口調査の言葉を使って言えば、通学生徒数は「中学生の昼間人口」、12~14歳の人口は「中学生の夜間人口」のようなイメージになります。

まず中学校数ですが、中央区は23区で最も少ない5校(区立中学4校と私立中学1校)となっています。人口規模や区の面積に大きな違いがあり単純比較はできませんが、最も多いのは世田谷区の52校、中央区の次に少ないのは台東区の9校です。中央区の中学校は統廃合が済んでコンパクトに効率良く運営できていると言うことでしょうが、数でみればダントツに少ない現実があります。

そして、気になるのが、中学生の夜間人口に比べて昼間人口が少ないと言う現実です。調査日に若干のズレはありますが、中学生が区内に2,057人住んでいるのに、通学で多くの中学生が区外に行ってしまって昼間は1,446人しかいません。夜に対する昼の割合は70.3%で23区の中で最も少ないです。

参考までに平成22年国勢調査での昼間人口は605,926人で、この時の夜間人口は122,762です。比率にすると493.6%になります。

区民が安心して中央区に長く住み続けていくためには、学校環境の改善もしていく必要があります。隣の千代田区(515.4%)のようになるのは難しいかもしれませんが、せめて23区平均(105.9%)位にはなって欲しいものです。